▼戻 る▼

2011年 7月13日(水) 結果を恐れず、至福の時を楽しもう。

 至福の時とは、もちろん人それぞれであろう。私にとっての至福の時とは、山中にいる時である。山中を歩きながら「明日はどの山に登ろうか」と、もう明日のことを考えている。明日はまた、別の山を歩いている。そんな自分の姿を想像しただけでも、気分が高揚してくる。それほど山歩きが好きだ。山歩きは私にとって、肉体的にはともかく、精神的には、大きな癒しになっている。誰でもが山歩きをすべきだとは言わないが、自分にあった趣味をみつけて、思う存分楽しむことこそ、健康のために良いと思う。とはいえ、私の場合は、ほどほどにしておくということができない性格があるので、肉体的には悪い結果を招いているのではないかと危惧している。性格は容易に変えられるものではない。「ほどほどにしておくということができない性格」が、今までの自分を支えてきたのであり、他人から軽蔑され、滑稽に見られても、自分の成長のためのエネルギーになってきたと思っている。

2011年 7月12日(火) 雨の日もまた良し。

 今日は雨に降られることを承知で、摩耶山に登った。ルートは「旧摩耶道」で、昔から沢山の人たちが通った道だ。それだけに、特別危険な個所はない。危惧していた通り、雨になったのであるが、樹林帯のなかゆえ、木々の葉が雨を防いでくれたため、歩くのに左程の困難もなく、傘をさしながら、のんびり歩いた。山頂からの展望は霧のため全くなかった。しばらく休憩をかねて近辺を散策した。山の天候は変わりやすい。間もなく、霧が晴れ、劇場の膜が開けたように、幻想的な風景が、眼前に浮かび上がった。くっきりと晴れた日の景色や、一千万ドルともいわれる夜景もいいが、どんよりとした空模様ではあっても、墨絵のような美しさもまた、劣らず美しいものである。雨の日もまた良し。人生もそうありたいものである。

2011年 7月 8日(金) 自然の中の静かな戦い。

 赤目四十八滝を目指して道路を歩いていたら、小さなカエルが、何かにはじかれるように飛び出してきた。自分の体長の何十倍もの幅がある道路を、自分の体長の何十倍もある高さの跳躍を、ほんの数回繰り返して、瞬く間に道路を横断し、安全な草原の中に消えていった。そのカエルの跳躍力に驚かされたのであるが、間もなく、同じコースを辿るように、細長いものが飛び出してきた。細長いものとは、そう、ヘビである。要するに、カエルはこのヘビに追っかけられ、逃げていたのだ。勢い良く道路に飛び出してきたヘビは、私の存在に気付き、一瞬戸惑った。このままカエルの逃げた跡を追っかけようか、あとに戻ろうかと。明らかに躊躇した態度を見せた。私は歩みを止めなかったので、ヘビはカエルを追っかけることをあきらめ、後戻りし、安全な草原の中に身を隠した。危険を素早く感知し、安全な所に身を隠す。そんなカエルやヘビの判断力や行動に、本能とは言え、侮ることができない能力を感じた。また、「人間社会と違って、自然は静かで、のどかでいいなあ」と思っていても、食うか食われるかの戦いが、自然の中でも日々静かにくりひろげられているのだということも、あらためて思い知らされた出来事でもあった。