●俳 句 の よ う な も の
     1 盆休み 何事もなく 暮れにけり
     2 星月夜 仰ぎて想う 我が半生
     3 我が人生 一月あれど 正月はなし
     4 正直に 暮らせど蚊 我を刺す
     5 紙魚いでて 読書せねばと 反省す
     6 ごぎぶりを 打つ母腕 たくましき
     7 かび臭し されど独り身 我が御殿
     8 お開きよ 早くこいこい ビール飲む
     9 日焼をも 苦にせぬOL 羨まし
    10 金毘羅宮 登りつめれば 星月夜
    11 渦潮の 鳴門大橋 霧に消え
    12 夕焼けの 鶴舞い降りし ハイウェイ
    13 おもちゃ箱 赤い車も 昼寝どき
    14 敬老の 日の麻雀の 空しさよ
    15 布団干す 主婦の腕の たくましき
    16 秋麗ら 子供忘れて 立ち話
    17 イブの夜に 心ならずも ケーキ買い
    18 盆踊り 人々去りて 夢のよう
    19 婦女はみな 大和撫子 盆踊り
    20 婦女がみな 美しく見ゆる 盆踊り

 ●日本一短い母への手紙(未応募作品)
     1 今日も遊びで遅くなります。こんな私の帰りを待つ、あなたの姿が気になります。
     2 母さん、腰の痛みはいかがですか。今の私は、あなたの幸せが生き甲斐なのです。
     3 お土産、もったいないからといって、みんな食べなくていいんですよ、お母さん。
     4 母さんとの二人連れ、初めて見ました。こんな私でもかすがいだったんですね。
     5 お土産なんていらないと、いつも言うお母さん。でも今日は母の日。買って帰ります。
     6 父さんのわがまま許せません。でも母さんが困るから、私も辛抱します。
     7 困ったことがあれば、仕事中だって、電話をしてきてもいいんですよ、母さん。
     8 母さん、喜んでください。私も親孝行をしなければという歳になりました。
     9 元気な母さんだから、親孝行できません。でも、いつまでも元気でいてください。

 ●短歌のようなもの
1   人を避け 入りし山で 人に会い 人恋しくて 挨拶交わす
2   登山する 人に悪人 いないという 二人連れ少女 無事祈る
3   苦労して 登りし山頂 風強し 下山を急ぐ これも人生
4   「女性の一人歩きはやめましょう」の看板に 「男に生まれてきて良かった」と思う登山道
5   沢の音が 途絶えて久し 山中で うぐいす鳴きて 山頂を知る
6   日が暮れて 道に迷いし 登山道 道しるべとなりし ポイ捨てのゴミ