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2007年 1月30日(火) 母の介護(雑感)


 パンに付けて食べるジャムが、小さなビニールの袋に入って出てくる。母は力がないうえ、袋が小さいので、この袋を破ることができない。牛乳パックの横に貼り付けられたストローも、容易にはがすことができない。普通の人には何でもないことができないのである。母は認知症がすすんでいるためか、自分から助けを求めようともしない。肉親が介護で付き添っている時はいいのだが、普段はビニールの袋だって、ストローだって、破ることも、はがすこともできないで、パンだけかじっているのではないかと心配する。
 看護士(介護士?)さんが食事が終わった頃を見計らって、「お食事、終わりましたか?」と後片付けにやってくる。年寄りのことだから、食事に時間がかかる。「時間があれば、まだ食べられそうですから」といって、片付けるのを待っていただく。事実、時間をかければ食べられるのである。肉親の介護人が付き添っていない日は、「もういいですか?」「食欲がなさそうですね?」とかなんとか、適当なことばをなげかけられたあと、さっさと片付けられてしまうだろう。介添えしながら、時間をかければ、全部食べられるとしても、一人の患者に肉親のように、べったりと関わっていられないのが実情だろう。施設で預かってもらえるのは助かるのだが、このような心配もしているのである。心配なら、施設などに預けずに、自分の家で介護しろということだ。

2007年 1月27日(土) 老いることは悲しいこと。


 私の父が死んだのは1995年5月28日のことである。1995年といえば、あの阪神淡路大震災があった年である。あれから12年の歳月が流れた。父は震災で死んだわけではないが、震災により実家は半壊し、結局建て替えることになった。もともと長屋であったから、間口が狭い。この際、転居を考えてはみたのだが、母が「誰も知った人のいない、新しい土地へ行くのは嫌だ」といった。私は、これも「親孝行」の一つだと思って、親の意向に従うことにした。新しい建物ができあがったとき、父は他界していた。母はしばらくは新居で同居していたが、今は施設に預けている。新しい建物に、父の姿も、母の姿もない。
 父は87歳で死んだ。長生きした方である。父が死んだとき、母が「もう2、3年も生きられたら十分や」と悲しげな表情で、つぶやいた。母も病気がちだった。早く父のところに行きたかったのだろうか。そのときの母の年齢は、77歳であった。あれから12年。母は今、88歳である。父が死んだ年齢を超えた。
 母が入院中、何度も小便の介助をした。小便のあと、お尻を拭いてやる。これまで、これほどまでに母の肌に触れたことはなかった。母のお尻は象のお尻のようである。お尻はもちろん、ももも、ふくらはぎも、体全体が骨と皮のみである。よくぞこんな状態で歩いていられるものだ(母は介助をすれば少しは歩くことができる)と思う。
 母は、おしめの中で用を足そうとはしない。まだ、おしめの中でしろというのはかわいそうだ。自分でトイレへ行こうとする。しかし、介助なくしてはトイレに行けない日が間近である。本人は自分ひとりでトイレに行けると思っている。だから、夜中にもぞもぞしだしたとき、「小便がしたいんか?」と聞いても、なかなか返事が返ってこない。黙ったまま、トイレに行こうとする。だが、自分の思い通りに体が動いてくれない。本人自身もはがゆく思っているだろう。何度も聞いてから、ようやく「そうや」という。
 なんとか自分ひとりでトイレに行こうとしている母の姿を見ているのはつらくて悲しい。

2007年 1月26日(金) 病院へ返信。


□□□□病院
   □□□□様
   □□□□様
拝啓
 先日は母の入院に際しまして、大変お世話になりました。おかげさまで、早期に健康を回復し、退院することができました。
 また、このたびはご多用中、ご丁重なご回答を賜りまして、誠にありがとうございます。今回いただいたご回答は、具体的で納得の出来るものでした。無理難題を押し付けたようで、恐縮しております。
 病院の患者は一人ではない。、病院スタッフの方々は人員不足で多忙である。そう解っていても、患者側は病院に対して、過大な要求をしがちです。病院スタッフの方々は、各々精一杯、働いておられることとご推察いたします。患者側も一方的に病院の責任を追及するのではなく、病院側の事情も考える必要があるでしょう。
 ただ、患者側としましては、大切な肉親の「命」を、貴院に預けているという認識でいます。些細なことが「医療事故」につながります。
 患者側と病院側が率直に意見を述べ合うことは必要なことだと思います。またそうできる環境を大切にしていかなければならないと思っています。
 このたびはご丁重なご回答ありがとうございました。
 未筆ながら、皆様のご健勝を心からお祈り申し上げます。
                                                  敬具
                                 平成19年1月26日
                                     □□□□□□□□□
                                             □□□□□

2007年 1月25日(木) 病院から回答あり。


 先日母が入院した際、病院のご意見箱に意見を投函したのだが、その回答が届いたので、その内容を下記にそのまま記しておく。
(意見の内容は今月の13日、14日の日記に掲載している。)

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□□□□□様

拝啓
新春の候、お母様のお身体の調子は如何でしょうか。お伺い申し上げます。
 この度は『患者様の声』へご意見をいただきまして、有難うございました。内容を拝見し、改めてご本人様・ご家族様に対してご不快な思いをさせてしまいましたことについて反省し、お詫び申し上げます。
@1月12日分 薬袋のホッチキスの件
□□様のお薬については、入所されていた『□□』からの持参薬でした。おそらくホッチキスは『□□』の施設からされてきたものであると推察いたします。スタッフに確認した所、当院ではホッチキスで薬袋を止めることは数年前から禁止されており、現在はチャック付きのビニール袋に入れてお渡しする事となっております。しかし□□様の場合、持参袋をそのままお渡ししてしまった事は事実であり、この点は私どもが深く反省し、見直す点であると考えます。持参袋であってもホッチキスで止めてある場合は、危険であることを認識し、チャック付きのビニール袋に入れ直して患者様(ご家族)にお渡しするべきであったと思います。このご意見に対して早速病棟内で話し合いの機会を持ち、今後は、持参袋の場合もホッチキスの針を取り除いて、ビニール袋にひとまとめにして配薬することを徹底するように致しました。
A1月13日分 ナースコール対応の件
ご意見にありました事象が何時の時間帯か不明ですが、お待たせしました事に対してお詫び致します。確かにご指摘の通り、「直ぐ行きます」との返答の後、5〜10分お待たせする事は、待たれている側にとっては非常に長く、いつ来てくれるのか解らない不安な待ち時間であったと感じます。この件につきましても、病棟内で話し合いの機会を持ちました。その結果、今後は以下のような事を徹底する努力をしてまいりたいと思います。
a.ナースコールに対応する場合、その時の状況に応じて相手のご用件を確認する。
b.もし、複数の要請が重なった場合は、それぞれのお部屋に先ずお伺いして用件内容を確認し、すぐに対応が必要かどうかを確認する。
c.ナースコールに対応したときの状況で、すぐに伺えないと最初から解っている場合は、緊急性が無いかどうか、ご用件の内容を先に確認する。
d.お部屋に伺ったとき、「お待たせいたしました」の一言を添える。
B1月16日分 シーツ汚染発見対応の件
シーツ汚染の原因と致しまして、吐物・汚物・食事時の食べこぼし等が考えられます。しかしいずれの原因にせよ、汚染されたシーツを発見された際には「すぐにお取替えいたします」の一言とともに対応するということが出来ておりませんでした。ご指摘のように医療人としての配慮が欠けていたと反省しております。スタッフに対しては、この度□□様からこのようなご指摘があったことを伝え、常に患者様の立場になりケアする事が出来ているか、各々自己のケアを振り返るよう指導しました。
@、A、Bいずれのご意見につきましても、日常の患者様の看護にあたる私どもが、当然出来ていなければならない点であったと思います。多忙な業務の中であったとはいえ、患者様の側に立った配慮に欠けていたと反省しております。今後このようなご意見を頂戴する事のないよう、病棟スタッフの教育を徹底し、ゆきとどく看護に心掛けたいと思います。
貴重なご意見有難うございました。

末筆ではございますが、皆様お身体には充分ご留意の上ご自愛下さい。
                                                        敬具
                                        平成19年1月20日
                                         □□□□□□病院
                                          □□□□病棟 科長補佐 □□□□
                                          □□病棟  科長   □□□□

2007年 1月17日(水) 付添看護について。


下記は各種ホームページから、適宜引用しながら記述したものである。

(付添看護についての相談事例)
 私の兄が胃ガンのため、某病院に入院し、手術した。家族の付き添い等は必要ないと説明されていたが、主治医から「夜間、家族の方が付き添って下さい。もし無理であれば、1日1万5千円ぐらいになりますが、付き添いの方を紹介します」と言われた。人手のない夜間は、確かに大変だとは思うが、病院とは24時間体制で看病できるところではないのか。
(回答)
 医療法に基づき、病院は入院患者数等で看護師等の必要人員が計算され、その人員数以上で患者を看護するはずであり、患者の家族 が付き添いをする必要はない。医療機関において、何らかの理由があって付き添いを求めている可能性があるので、再度、担当の医師や病院に理由を聞いてみることである。
(要点)
 医療機関においては、患者の負担を伴う付き添い看護を行うことは認められていない。医師の許可を得て、家族等患者の負担によらない者が付き添うことは差し支えない。
(根拠法令等)
○ 保険医療機関は、その入院患者に対して、患者の負担により、当該保険医療機関の従事者以外の者による看護を受けさせてはならない。保険医療機関は、当該保険医療機関の従事者による看護を行うため、従事者の確保等必要な体制の整備に努めなければならない。(保険医療機関及び保険医療養担当規則(看護)第11条の2)
○看護は、当該保険医療機関の看護要員のみによって行われるものであり、当該保険医療機関において患者の負担による付添い介護が行われてはならない。ただし、患者の病状により、又は治療に対する理解が困難な小児患者又は知的障害を有する患者等の場合は、医師の許可を得て家族等患者の負担によらない者が付き添うことは差し支えない。なお、患者の負担によらない家族等による付添いであっても、それらが当該保険医療機関の看護要員による看護を代替し、又は当該保険医療機関の看護要員の看護力を補充するようなことがあってはならない。(平成16年3月30日付け保医発第0330006号厚生労働省通知、別添2)

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●医療機関は完全看護だから、部外者の付き添い看護は認められていない。従来認められていた付添婦は平成8年3月末で禁止されている。
●病院の看護態勢は、認知症のような患者に常時目を届かせることは難かしいのが実情で、治療に対する理解が困難な患者の場合は、例外的に家族の付き添いが、厚生労働省の通達によって認められている。
●介護保険によるヘルパーの派遣は在宅介護の場合に限られていて、入院には適用されない。
●家族の付き添いを求めることはしないという病院もある。そこでは、患者をナースステーションの近くに置いて目が届き易いようにするなどの工夫も見られるが、ある程度の身体拘束は止むを得ず家族の承認をとって行っているところもある。
●一方、現に苦しんでいる家族の例は少なくない。家族の付き添いが出来ないときには入院を拒否することもあるようである。全ての病院がこのような問題患者を無条件で受け入れることを期待するのは無理。止むを得ず、家族と称して家政婦を雇って援助してもらっている人もいる。
●建て前としては、病院から患者の家族に付き添いを強要することは出来ないことになっているが、弱い立場の患者側から要望した形をとって入院を認めているケースも多い。


参考になるホームページはここをクリックするとつながります。

2007年 1月17日(水) 金では買えない大切なもの。


 ほとんどのものは金で買えるが、金では買えないものがある。「金では買えないもの」とは、「金が無くても手に入れることができるもの」ということである。この「金では買えないもの」が、最も大切なものである。それは「愛」である。この「最も大切なもの」は、心がけ次第で、金が無くても手に入れることができるのである。

2007年 1月17日(水) 介護にかかるお金。


下記は日本経済新聞(夕刊)広告欄「みんなの明るい介護2006」から引用したものである。
「在宅で介護を受ける場合、・・・ひと月にかかる介護費用の平均は約三万五千円。要介護度が四と五の世帯では、その費用が六万円超にはね上がる。これは介護保険サービスの一割負担分を含めた金額である。実際には、介護保険ではカバーされない出費も多い・・・」
「次に施設介護の場合をみてみよう。「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」という三つの介護保険施設では、居住費と食費、日用雑費に、介護保険サービスの一割自己負担分を加えた額を利用者が払う。・・・だいたい月に八万円から十三万円くらいだと考えていい。」
「一方、民間の介護付有料老人ホームには、いろいろな施設がある。・・・一般的な施設の入居一時金は数百万円から二千万円くらい。月額利用料は十数万円から二十数万円のところが多い。この利用料のほかに介護保険サービスの自己負担分が上乗せされる。」
「八十五歳以上の四人に一人が要介護状態にあり、介護する人の二人に一人は六十歳以上だという。」
「介護を巡って、家族関係が崩壊する例も後をたたないが、十分なお金さえあれば解決できる問題も多い。」
「家族に頼れない場合、介護が必要になったとき、誰に介護してもらうのか、その費用をどうするのかは、自分で考えておかなければいけない時代になった・・・」
「公的な介護保険サービスだけでは十分とはいえない・・・。それを補ってくれるのが民間の介護保険だ。所定の介護状態になったとき、保険金が介護一時金や年金という形で支払われる。」

2007年 1月16日(火) 母退院


2007年 1月15日(月) ウォシュレット


 母の小便の介添えをする。洋式の便座に座らせ、「もう出たか?」「うん、出た」「みんな出たか?」「うん」という会話が終わると、母が自分の股間を覗き込みながら立ち上がる。トイレットペーパーをちぎって前を拭くようにと手渡す。母がそれを手にとって拭こうとすると、母の股間から、再び小便がこぼれ落ちてくる。まだ残っていたらしい。ちょろちょろとこぼれ落ちる小便の音を聞きながら、母が自分の股間を覗き込んでいる。しばらくしてから再び「もう出たか?」「うん、出た」「みんな出たか?」「うん」という会話があって、母が股間を覗き込みながら立ち上がる。すると、みんな出たはずの小便が、再び出だす。今度は、勢いよく出だす。「まだ出るわ!」といって、母があわてて腰を下ろす。「ぎょうさん出るな!」母自身も少し驚いた様子である。「まだ出るわ!」と再び母。私もこんなにたまっていたのかと驚く。それにしても、いつまでも止まることがない。余りにも量が多すぎる。母の体に並々ならぬ異変が起こっている。私は一瞬不安になった。私は母の股間からその奥あたりを覗き込んだ。そこで初めて合点がいった。そう、便座からノズルが延びて、その先から水が噴き出していたのである。「ウォシュレット」というお尻を洗う機能が付いた便器だったのだ。「ウォシュレット」の存在は知ってはいたが、一度も使ったことがない私には、気がつくのに時間がかかったという、お粗末なお話であった。

2007年 1月14日(日) 病院のご意見箱に投函(その2)「うんこ」は汚いものなのか。


 点滴の準備に看護師さんが来られました。床、布団が「うんこ」で汚れているのに気づかれ、「これ、うんこ?!」と、一瞬、飛びのくようにびっくりされたのです。 「うんこ」や「おしっこ」は健康のバロメーターです。順調に出てくれることを看護をしている家族も望んでいます。一般的には汚いものでしょうが、医療、看護の現場においては、むしろ神聖なものと理解し、多少自分の手や服が汚れても、気にしない覚悟、気持ちで医療、看護に携わっていただきたいと思います。(事実は「うんこ」ではなく、患者である母が飲んだコーヒーの吐しゃ物だったのですが。病院側と患者側、各々の立場から率直に意見を述べ合うことは有益なことだと思います。ちょっと不快に感じましたので、素直にその感情を吐露させていただきました。)

2007年 1月13日(土) 病院のご意見箱に投函(その1)


@「夕食後に飲んでください」と渡された複数の薬袋が、ホッチキスで止められていました。ホッチキスは本来、紙を綴じるための「事務用品」です。その針が人の口に入る可能性があるものに使用するのはとても危険です。私は以前、ホッチキスでパックされたスシを買ったことがあるのですが、その中にホッチキスの針がまぎれ込んでいるのを知らず、かんだことがあります。針一本は小さなものですが、その時に受けた衝撃はひどいものでした。口に入った針がのどにつかえることだってありえます。手軽で便利だからといって、食料品や薬など、人の口の中に入れるものの梱包などに、ホッチキスを利用しないで下さい。食料品の場合、セロテープで止めている例が多いですね。
A点滴が終わったのでその旨を伝えようとナースコールをしたところ、用件も聞かず「すぐ行きます」という返事がありました。返事が「すぐ行きます」だったので、こちらからも用件は言いませんでした。5〜10分経過しても来られないので、再度コールしますと、すぐ来ていただきました。もちろん、5〜10分の遅れなど、用件によってはなんの支障もないかもしれませんが、「すぐ行きます」と答えながら、すぐ来ていただけないのでは、緊急時の対応に不安が残ります。 私は今回、患者や患者の家族の立場から勝手なことを申し上げます。たった5〜10分のことでも、待つほうの立場からすると、とても長く感じるものです。互いに相手の立場を理解しあうことは大変なことですね。きっと、お忙しかったんだと推察しております。悪く思わないで下さい。

2007年 1月10日(水) 母入院


母に肺炎の疑いがあり緊急入院した。弟と交代で24時間付添い看護が始まる。

点滴
@糖・電解質・アミノ酸液 ツインパル500ml
   T層 糖・電解質液 350ml
   U層 アミノ酸液  150ml
A生食溶解液キットH 100ml

2007年 1月 7日(日) おば葬儀


2007年 1月 5日(金) 長谷川和夫(編著)『精神保健』読了。

 →読書の記録

2007年 1月 3日(水) 堺屋太一『団塊の世代』読了。

 →読書の記録

2007年 1月 1日(月) あけましておめでとうございます。



あけましておめでとうございます
本年が皆様にとりまして 幸多き年でありますよう お祈りいたします

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