■ ■ 童 話 と 小 説 ■ ■
■ ■ 童 話
コスモスの花 | 花はミヨちゃんの頭の上で、ほほえんでいます。 ミヨちゃんは道端に腰を下ろすと、コスモスの花が風にゆらりゆらりと揺れているのを、いつまでもながめていました。 |
お母さん | ユリちゃんは、いきなりお母さんのひざにしがみついたのです。お母さんはびっくりして、ユリちゃんを抱き寄せ、ユリちゃんの顔を見下ろしました。ユリちゃんの目からは、大きな涙がこぼれて落ちました。 |
散 髪 | けれど、お父さん。ぼくも少しはお父さんの気持ちも考えて、今日一日は辛抱するけど。今日がほんとうの最後だよ。お父さん! 早く散髪以外に趣味を見つけてください。 |
りんごの丸かじり | ゴン太くんが今、目の前で「うめえ、うめえ」と言って、ほおばっているりんご。それはケンくんのお母さんが、ゴン太くんのお母さんからいただいたりんごだったのです。 |
百 獣 の 王 | わしは生きる。生き続けるぞ。そして待つ。命をかけてこのわしを、うち倒そうとするやつが立ち現れるまで。わしは待つ。待ち続けるぞ。わしはそんなやつと戦って死にたい! |
競走なんて大嫌い! | 僕は賞品なんていらない。僕のお父さんやお母さんは悲しむだろうけれど、僕はこれでいいと思った。僕は競走なんて大嫌いだ! |
ぼくにだってできるよ | バスはどんどん遠ざかって、小さく小さくなっていきました。バスの走っていく方向の先の先には、太陽がまぶしく輝いていました。 |
鳩の恩返し | お父さん鳩を手厚く葬ってくれた村の人たちに対するお母さん鳩の、これが命をかけた恩返しだったとしか思えません。つるは今でも天に届けとばかりにのび続けていることでしょう。 |
もっこはもういらない | もっこは今でもあの奥深い山の頂上に残されたままになっています。このもっこはもう二度と使われることはないでしょう。 |
丘の上動物園 | ぼくは一度だけ見たことがあるよ。顔までは見えなかったけれど、毛むくじゃらの手をしていたよ。立札には一体どんなことが書かれていたのでしょう・・・ |
おじいちゃんの柱時計 | おじいちゃん、本当にもうぼくのことはかまわなくっていいんだよ。おじいちゃん、安心してぐっすりお休みなさい。ムニャムニャ・・・ |
良太とくもの巣 | 良太の目の前で高くそびえるポプラの木の葉の間から、月の光に照らされて白く輝くものがありました。それはお母さんの首にかかっている真珠のように輝いていました。 |
欲張りなキツネ | 欲張りなキツネは、すべてを白状し、財布を取り戻そうと考えました。でも、今更、正直に話してみたところで、キツネの言うことはもうだれも信じないことでしょう。 |
日の丸べんとう | 「ぼくもきょうからふろ場のおそうじぐらいしよーっと!」 |
蛙の子 | 良太のお父さんは要領が悪く、ぎこちなく生きているから出世できません。でも良太は、ぎこちなくても正直に生きているお父さんが、どこのお父さんよりも好きでした。 |
守られた約束 | 大男の悲鳴とむちの音が、城内まで響き渡った。やがて大男の悲鳴はかすれ、ついに聞こえなくなった。後はただ、静かさの中で、バシッー、バシッーというむちの音だけが聞こえてきた。殿様が、千回目のむちを打ち下ろしたとき、大男の息が絶えた。 |
ミヨちゃんと新聞 | 「新聞ってなんだろう」 ミヨちゃんはいつも不思議に思っています。 |
■ ■ 小 説
1・いつか花咲く蕾のように
2・いかさまカルテット
3・恐怖の各駅停車
4・流しの下を覗いてごらん
5・同情の涙はいらない
6・乙女のため息
7・大人への離陸
8・老婆
9・少女のような君だから
10・通夜
11・ちょっぴり悲しい僕の青春
12・羽ばたけ蝶々